
Q.『格差社会』って?
A.
人々の間で、所得や資産などの格差が拡大または固定化した社会。
近年は特に、いわゆる「勝ち組」「負け組」という言葉に象徴されるように、着実な構造改革によってわが国の経済が再生軌道に乗る一方で、“社会の二極化”が進んでいることに対する懸念が広がっています。
具体的には、生活保護世帯数の増加や貯蓄残高ゼロ世帯数の増加などにも表れているように、“中央(都市)と地方”“高齢者と若年者”“大企業と中小企業”などの間で格差が拡大していることが指摘されています。特に若年層では、正社員とフリーターなどとの間で、所得や待遇の格差が深刻化しています。
Q.『ジニ係数』って?
A.
所得格差を表す代表的指数。イタリアの統計学者、コッラド・ジニが考案しました。所得が世帯間にどのように集中または偏在しているかを、0から1の間の数字で表します。世帯間の所得格差が少ない社会ほど、ジニ係数は0に近づき、所得格差が大きいほど1に近づく。総務省が実施する全国消費実態調査などの結果から算出されます。
国際的な基準である等価可処分所得でジニ係数を算出し、それを国際比較すると、日本はスウェーデン、ベルギーなどより所得格差が大きいですが、アメリカ、フランスなどより所得格差は小さい。(※等価可処分所得=世帯の年間可処分所得を、世帯人数の平方根で割ったもの)
Q.『OECD対日審査報告』って?
A.
経済協力開発機構(OECD)は7月、日本経済を分析した対日審査報告書を発表、(1)日本のジニ係数は1980年代半ば以降、「大幅に上昇」し、OECD平均をやや上回った(2)日本の相対的貧困層の割合はOECD諸国で最も高い部類に属す――と指摘し、所得格差が拡大していることに強い懸念を表明しました。格差拡大の主な要因は「労働市場における二極化の拡大」と分析し、全労働者に占める非正規労働者(パートタイムなど)の割合がこの10年間で約1・5倍に増えたにもかかわらず、パート労働者の賃金がフルタイム労働者の40%にとどまっていることなどをあげ、「二極化が固定するリスクがある」としています。
Q.『経済財政白書』って?
A.
内閣府は7月、経済財政白書を発表。所得格差を表すジニ係数などの各種指数は「緩やかな上昇傾向」にあるという認識を示し、(1)高齢者世帯は所得格差が大きいため、高齢化が進むと、格差数値は上昇する(2)所得の少ない若年単身世帯の増加も格差指数を上昇させる――と指摘。過去20年ほどの歴史的な所得格差の拡大は、高齢化進展や世帯人員数縮小による影響が大きい、と結論づけました。また、絶対的貧困層の割合は、日本が先進国で一番低いと強調しています。ただ、若者の間で所得格差が拡大していることを重視し、「将来的に挽回することが困難な格差に至る恐れもあり、十分な政策対応も望まれる」としています。
Q.『世代内格差』って?
A.
格差拡大問題で最も懸念されているのが、若年層の世代内所得格差。1990年代後半、企業のリストラが加速した影響で雇用情勢が悪化し、フリーターは200万人台に急増。正規雇用者になれずにフリーターを続け、年齢を重ねていく実態もあります。就学も就労もしていないニートも、60万人台の高水準で推移しています。その結果、若者世代内で、正規雇用者とそれ以外の格差が拡大し、現在賃金だけでなく、生涯賃金にも大きな格差が生じる事態に至っています。フリーター、ニートの増加と高齢化は、経済の生産性を低下させ、社会保障制度を不安定にするほか、非婚化・晩婚化を通じて少子化に拍車をかける懸念もあります。
Q.『地域間格差』って?
A.
構造改革路線の下で“公共投資抑制”“民間需要主導”による経済成長の実現が進められたことにより、景気対策としての公共事業の出動が減少するとともに、財政健全化の観点からも公共事業予算の削減が継続した結果、地域経済の景況格差が大きくなり、好況な業種を持つ地域と持たない地域との格差や、大企業と中小企業との格差などが構造的なものとなりつつあります。経済産業省の「2030年の地域経済のシミュレーション」などによると、人口規模が小さい地方では、地域の総生産額と人口が2015年ごろからさらに大きく減少することが予想され、人口と経済の両面から地域間格差が拡大することが懸念されています。
Q.『再チャレンジ支援』って?
A.
来年度予算編成の指針として政府が7月に閣議決定した「骨太の方針2006」には、「『勝ち組、負け組』を固定させない、人生の各段階で多様な選択肢が用意された仕組み」の構築をめざす「再チャレンジ支援」策が盛り込まれました。具体的には、(1)年長フリーターに対するキャリアコンサルティング実施、国家公務員就職機会の提供(2)「女性の再チャレンジ支援プラン」の推進・強化(3)高齢者、団塊世代を対象に介護や育児での簡易資格(サポーター)制度の創設(4)事業に失敗した人、リストラ退職した人を支援する再チャレンジプランナーの創設(5)新卒者以外にも門戸を広げる複線型採用の導入、採用年齢引き上げ――など。
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